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4.コラム2023.11.22

【岡山県立大学大学祭 ウェルビーイングなひととき参加レポート】デジタル技術が導くウェルビーイングな社会とは?


こんにちは!ピープルソフトウェア広報チームです。

2023年11月5日、ピープルは、「岡山県立大学大学祭 ウェルビーイングなひととき」に参加しました。このイベントは、デジタル技術によるウェルビーイングの向上について考える企画です。AIなどの最新技術を体験できる展示会と、デジタル技術を活用して人々の生活を豊かにする方法についてのパネルディスカッションが行われました。

ピープルからは、横道社長と黒木ゆみ(くろき ゆみ)さんが登壇。また、行政関係者、大学教員、高校生や大学生など、10人がアイディアを共有し、様々な立場の人がデジタル技術の活用方法を提案しました。展示会とパネルディスカッションの様子をレポートします。


デジタル技術に触れ合える展示会



パネルディスカッション会場のとなりの教室では、AIなどの最新技術を体験できる展示会が開催されていました。主な展示は、AI技術を楽しめるゲームです。3Dゴーグルを装着し仮想空間内でAIとともに家具を運ぶゲーム、総社市のマスコットキャラクター チュッピーと対話できるAIチャットボット、自律制御によって動くサッカーロボットなどを、大学生のスタッフたちが紹介。教室内は、夢中になってゲームを楽しむ子どもたちで賑わっていました。



ピープルが行った企画は、子どもから大人まで楽しめるアプリケーション開発の体験会です。実際のアプリケーション開発の過程で生じる業務を、楽しみながら体験できる企画。

参加者はスマートホンの操作画面がデザインされるまでの一連の作業を、社員と共に進めていきます。操作画面のアイディアが、参加者によって数多く提案されました。


幸せになるためのパネルディスカッション


今回のパネルディスカッションを取りまとめるのは、岡山県立大学 情報工学部の岩橋直人(いわはし なおと)教授です。岩橋先生の専門分野は人工知能(AI)。AIを活用して、人々の暮らしを豊かにする技術を探究しています。

パネルディスカッションの冒頭では、今回のイベントのキーワードであるウェルビーイングの定義について確認。

「元気で、周りの人ともうまく関わり、満足して生きている状態」

であると参加者へ共有しました。

そして、パネルディスカッションの目的については、「デジタルを使ってウェルビーイングを生み出すこと」と説明。このパネルディスカッションのために、岡山県内からウェルビーイングとデジタル技術に精通した行政関係者、大学教員を招待しています。

また、社会全体の多様な意見に耳を傾けるために、若い世代を代表して高校生や大学生にも発表を依頼しています。多様な切り口からデジタル技術による社会全体のウェルビーイングについて話し合いました。


【パネルディスカッションの発表者】

(1) 総社市総合政策部長 梅田政徳(うめだ まさのり)さん

(2) 岡山県立大学副学長 五福明夫(ごふく あきお)さん

(3) ノートルダム清心女子大学 インクルーシブ教育研究センター長 青山新吾(あおやま しんご)さん

(4) NPO法人 岡山ロボット技術子供育成協会 副理事長 川野壮一(かわの そういち)さん

(5) ピープルソフトウェア株式会社 代表取締役社長 横道 彰(よこみち あきら)さん

(6) 岡山県立大学 学部生

(7) 岡山県立大学 大学院生

(8) 岡山県立 総社南高校 生徒2名

(9) ピープルソフトウェア株式会社 黒木ゆみ(くろき ゆみ)さん


DXの目的は、人々を幸せにすること



最初の発表者は、総社市総合政策部長の梅田政徳さんです。内閣府で経済財政分析の業務に携わってきた梅田さんは、2023年4月に総社市役所に赴任。デジタルトランスフォーメーション(DX)により、市民の生活を豊かにするための施策を推進しています。

「日本一優しい市役所」を目標として掲げる総社市では、子ども、高齢者、ひきこもり、性的マイノリティなど、すべての市民が幸せになれる街の実現を目指しています。

梅田さんは、デジタル技術はあくまで手段であり、目的は市民の生活を豊かにすることだと強調。デジタル化の推進にあたって、ときには法律や制度も変える必要があると話します。既存の枠組みに変化をもたらして、市民の生活をデジタル技術によって豊かにしていくことがDXであると述べました。


AIと共存する社会とは?


岡山県立大学副学長の五福明夫先生の専門分野は、AIとヒューマンインターフェース。大規模プラントの運転支援システム、仮想現実を活用した医療システムなど、幅広い分野においてAI技術を導入する開発に携わってきました。

AI開発の目的は、人間の知的活動をコンピューターによって実現することであり、将来、限りなく人間に近い人工知能が誕生すると五福先生は断言します。さらに、処理の速度や正確さは人間を凌駕すると述べました。

「AI技術によって、いつか人間が作業しなくてよい時代がくる」と五福先生は予想します。今の社会制度では、私たちがAIと共存することは難しいため、制度を変えていく必要があると提言しました。


インクルーシブな社会をデジタル技術で生み出す



ノートルダム清心女子大学の青山新吾先生は、インクルーシブ教育研究センター長として、教員を目指す学生たちに児童教育を教えています。現代は、社会構造が激しく変化するうえに、年齢や国籍だけでなく、多様な背景を持つ人たちと協働する時代。多様な人との協働の重要性を強調するために、昨今は「インクルーシブ」という言葉が教育の現場でも使われていると説明しました。

青山先生によると、「コミュニケーションは苦手だけど、人と一緒に活動するのは好き」という子どもは確実に存在しているそうです。現実の関わり合いでは、上手くコミュニケーションが取れない子どもでも、仮想空間という心理的な距離が保てる場所であれば楽しめる可能性があると話します。コミュニケーションの難しさを取り除いて、人と取り組むことの面白さだけを感じられる場所を仮想空間で実現できるだろうと述べました。


デジタル技術をロボット作りで学ぶ



NPO法人 岡山ロボット技術子供育成協会 副理事長を務める川野壮一さん。自律制御で動作するサッカーロボットの作製を通じて、子どもたちに電子工作やプログラミングの面白さを伝えています。


川野さんが開催する講習会では、ロボットを動かすための回路を半田付けで作成したり、ロボットの制御をビジュアルプログラミングで実装したりするそうです。また、センサーの出力値の処理を例に、算数で学んだ知識の活用方法を教えています。ロボットの制御という具体例によって、算数や数学の抽象的な知識を分かりやすく子どもたちに伝えていると紹介しました。


デジタル技術により、リアルな体験の価値を高める



横道社長は、ピープルの事業を例に挙げながら、デジタル技術によってリアルな体験の価値を高めるビジネスについて紹介しました。

最初に、世の中にはデジタルに変換できないことがあると説明。観光、スポーツ、博物館や美術館での鑑賞など、リアルな体験にこそ価値がある事例を提示しました。その上で、デジタルを活用することで、リアルな体験の価値を高められると横道社長は話します。

例えば、スマホアプリによる博物館のガイダンス。来場者は、スマホにインストールされたガイダンスアプリケーションを使うことで展示品についてのより詳しい情報を得ることができます。さらに、最近のAI技術を活用すれば、対話形式で作品についての理解を深めていくことも可能になると紹介しました。

デジタル技術により人々の生活を豊かにすることができる時代。新しいビジネスに挑戦する人が増えてほしいと締めくくりました。


ウェルビーイングの意味を深掘りする



高校生を代表して、総社南高校の生徒2人が登壇しました。

ウェルビーイングの意味を確認することから発表をスタート。ウェルビーイングとは、心身と社会的な健康を意味する概念だと明確にしました。彼女たちは、総合的な探求の時間を使って献血について学んでいます。献血は、相互の協力によって社会全体の医療を支える行動。心身と社会的な健康を維持する活動であり、献血はまさにウェルビーイングな行動だと説明しました。

彼女たちの調査によると、若年層の献血が不足しているそうです。インターネットなどのデジタル技術を活用して献血の重要性について若年層に向けて発信することで、ウェルビーイングな社会に近づけると提案していました。


デジタル病院ソムリエが提案する診療



ピープルのもうひとりの登壇者は、黒木ゆみさん。病状によって適切な医療機関を紹介するAI「デジタル病院ソムリエ」を提案しました。

黒木さんは、持病を診療してもらうための医療機関を既存の検索エンジンを利用して調べたことがあるそうです。検索エンジンに症状を入力し、出力された医療機関の一覧を参考にして、整形外科を訪れました。処方された薬の服用を続けるも、量を減らすと症状は悪化。

別の整形外科にも行きましたが、症状が改善することはありませんでした。最終的に、脳神経外科を訪れたことで、原因がはっきりと分かったそうです。身体的にウェルビーングとかけ離れた経験をしたことで、「デジタル病院ソムリエ」の必要性を感じ取ったと話していました。


ウェルビーイングな社会を目指した意見交換


10人の発表が終わったあとは、デジタル技術を活用する方法について、意見交換が行われました。

岩橋先生の取りまとめにより、発表者だけでなく聴講者も巻き込んだ議論に発展します。行政や企業が提供するデジタル技術についてのアイディアも出てきましたが、ユーザー側のリテラシーも必要だという意見もありました。社会を構成するのは、デジタル技術に慣れた人たちだけではなく、高齢者や障がいを持った人も含まれています。

使い方を教える勉強会などを実施して、デジタル技術に対するリテラシーを高めることも、ウェルビーイングな社会を実現するためには必要だと話し合われました。


ウェルビーイングな社会に向けたアイディアを共有して



行政、教育、企業という立場の違い、そして年齢の違いを超えて意見を交わしましたが、デジタル技術だけに捉われず、全員が豊かさの追求を根底に話し合っていました。便利にすることだけを目指すのではなく、豊かにする方法を具体的にしています。

すべての人がウェルビーイングになれる社会が見えてくるパネルディスカッションでした。様々な立場の人たちが一堂に介して、社会全体の幸せについて考えを深めるという貴重な機会になったと思います。

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