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4.コラム2022.8.31
【ピープルで働く―ハンディキャップ編】1人の困り事を会社全体で解決していくことが、障がいのある・なし問わない働きやすさへ

こんにちは!ピープルソフトウェア広報チームです。
今回も『ピープルで働く』をテーマに、社員の『多様な働き方』をご紹介。今回はハンディキャップを抱えながら働く社員にスポットを当てます。
プロダクト事業部長の髙本智晶(たかもと ともあき)さんは、ピープルに中途採用で入社してから22年が経ちました。ピープルで長く勤務している髙本さんは、高校生の頃に交通事故に遭い、以来車いす生活になったそうです。ハンディキャップを抱えながら、どのようにピープルでのキャリアを歩んできたのでしょうか。
話を聞きながら、髙本さんから見たピープルの社風や制度の魅力に迫りました。
中学生の頃から、機械が大好きだった

―そもそも髙本さんは、なぜエンジニア職に就こうと思ったのですか?
髙本:
子どもの頃にさかのぼりますが、中学生のときにパソコンが身近になってきて、周りで扱う人が増えるなかで自然と機械に興味を持ちました。「自分でも触ってみたいな」と思っていたとき、隣に住んでいる人がプログラムをガンガンに書いている姿を窓越しに見たことがあって。その人から「触ってみるか?」と声を掛けられて、自分でプログラムを作り始めたのが発端です。
「エンジニア」という職種を知らなかったものの、「コンピューター関連の仕事に就きたい」との思いは中学生の頃からありました。それで当時、情報処理科があった唯一の高校に進学したんです。
―中学生の頃から、機械に触るのが好きだったのですね。
髙本:
好きでしたね。希望の高校に進学できてこれからという時、2年生の冬に交通事故に遭い車いす生活になりました。
長い入院生活の中で進路どころか日常生活に戻ることにすら大きな不安を抱えていましたが、高校の設備面を整備してもらえることになり、復学が決まったんです。自分がどこに向かって行けばいいのか分からないなか、まず目指すべき一つ目のゴールが見えたことは復帰に向けた大きなモチベーションになりました。
当時は目の前のことに夢中で気づけていませんでしたが、今になって振り返るとたくさんの方々の協力と環境に本当に助けられたなぁと感謝するばかりです。
退院後の日常復帰に四苦八苦しながらの高校生活は苦労がありつつ、情報処理の勉強や実習を通して「逆に車椅子でもできることがあるんだ」と気が付く契機になりました。と同時に、ぼんやりとした夢だったエンジニアという職種が具体的にイメージできるようになってきました。
エンジニアは、パソコンと上半身があればできる仕事です。「以前からパソコンを触っていてよかった」という気持ちや、「むしろエンジニアの道に進もう」という決意が生まれていきました。
高校を卒業した後は、日本では所沢と地元岡山の吉備高原とで2校しかない国立の職業リハビリテーションセンターに。情報処理をさらに学んだのちに、就職しています。
ピープルに、安定と働きやすさを感じた

―ハンディキャップを抱えながらも、やりたかったエンジニアになった髙本さん。ピープルは2社目だと伺いましたが、ピープルを知ったきっかけは何でしたか?
髙本:
前職の業務の一環で、受託開発をしていた時期がありました。社会人2年目だったと思いますが、受託していたうちの1社がピープルだったんです。
前職では受託開発の仕事はほんの一部で、ファクトリー系のシステム構築をしたり、社内外問わずプロジェクトを立ち上げたりしていました。開発リーダーとして、お客様と会話しながらものづくりをしているのがやりがいでしたね。小さな会社だったので、本当に色々な経験をしました。
―どのような経緯でピープルに転職を?
髙本:
一緒に仕事をするなかで、安定と働きやすさの両面がある会社だなと思ったからです。
当時倉敷にあるシステム会社のなかでは比較的大きな会社だったので、安心して働けそうだなと思ったのがひとつ。もうひとつは、自由な雰囲気というか、いい意味でくだけた雰囲気なのがいいなと思いました。
前職時代にピープル社内で打ち合わせしていて驚いたのが、社員みんなが私服だったこと。私はスーツで仕事をしていたし、他社の雰囲気を知る機会はなかなかなかったのでとても新鮮でした。
また、お昼前の時間帯に出社してきた社員がいて。「おおっ、私服のうえにフレックス制なのか」と衝撃でしたね。今ではそれほど珍しい制度ではないですが、2000年頃の倉敷の会社としては、先駆的な制度でしたよ。働きやすそうな雰囲気を感じて、ピープルで働いてみたいと思うようになりました。
新しいことを取り入れるおもしろさに気づく

―ピープルに入社してから、入社前に抱いていたイメージとの違いはありましたか?
髙本:
入社前はお堅いイメージでしたが、入社してみると想像以上に新しいものをどんどん取り入れていて、おもしろいなと思いました。
ピープルは大手企業のクライアントがいるから、私のなかでもお堅いイメージが強かったんです。「レガシーを守っているのだろうな」というイメージ。正直な話をすると、ピープルで何年か働いてスキルを身につけたら、また別の会社に転職しようと思っていました。
―先を見据えていたとは……!でも実際は、そこまでお堅くなかったと。
髙本:
はい。ピープルで働きはじめたら、大手企業のシステムも新しい言語を取り入れながら改善しているし、社内向けの業務システムも見たことがない言語を使うなどしていて。結構驚きました。
働いてみて思ったのは、ピープルは社員がやりたいことや、今やっておいた方がいいと思うことに価値を感じて、後押ししてくれる会社なんだということです。例えば今は、業務時間中に勉強ができるのが制度として整っていますが、制度としてない頃から社員の意志を尊重する雰囲気はありました。
IT業界はスピード感があり、勉強を続けていくことがおもしろいのだと思います。ピープルで働いて、色々な新しい情報やシステムに触れることで、IT業界ならではのおもしろさを改めて感じられました。
上司の一言で、弱みを見せたくなかった心境に変化が

―ピープルに働きやすさを感じたとはいえ、ハンディキャップを抱えるなかでは苦労も多かったのではないかと思います。
髙本:
出張が特に怖かったですね、今思い返すと。私には身体を守るためのルーティーンがいくつかあるのですが、出張に行ってもそれを守れるのかが不安でした。また、かかりつけ医に相談して「大丈夫」と判断できても、何かあったときに何を頼ればいいのかもはじめは分からなかったです。
―いつもと違う環境に行くだけで、不安になりますよね。
髙本:
駅から目的地まで移動できるのかさえ、分からなかったですから。
でも、不安を抱え込まずに会社に相談していたのが、よかったのではないかと思います。「そういう困り事があるなんて知らなかった。それは困るよね」と言われることも多くて、伝えることで理解してもらえるんだと気づきました。相談するたびに柔軟に対応していただけて、助かっています。
とはいえ、入社してしばらくは、会社に弱みを見せるのが嫌だったんですけど……。
―何か心境の変化が……?
髙本:
母の介護が重なっていたときに自分も体調を崩して、入院したことがありまして。当時の上司から「プライベートでも大変なことがあったら、ちゃんと言えよ」と言われたんです。その一言に、かなりハッとしました。
声を掛けてくれた上司は直属の上司ではなく、入社前に面談をしてくれた方でした。直接業務に関わる方ではないけど、気にかけていただいている方がピープルにはいるんだと気づいたんです。
それ以前は「障がい者だから」と特別扱いされたくないとか、一人前のエンジニアとして認められたいとか、そんな思いが強く、1人で何でも解決しようとしていました。仕事に復帰してからは「俺が、俺が」ではなくて、チームのなかで助け合いながら仕事するようになっていきましたね。
当時の上司からいただいた言葉は、自分の殻を破るきっかけになりました。
リモートワークは一長一短

―社員同士助け合いながら、不安や葛藤と向き合って今日まで働いてこられたのですね。現在はリモートワークが基本的な働き方で、周りに社員がいないと思います。この環境は、髙本さんにとっていかがですか?
髙本:
今は上司の立場になったので、以前とは別の葛藤がありますね。社員やお客様の表情が見えないのが、むずかしいなと思っていて……。直接顔を合わせる機会が少なくなり、対面で人間関係を築くことの重要性を感じているところです。
例えば社員であれば、事務所にいるだけで「顔色悪いな」「しんどそうだな」と気が付いていましたが、リモートだとなかなか気が付きません。今まで受動的に入っていた情報が、能動的にならないと入りづらくなってきています。心理的なコミュニケーションコストが上がっていると思いますね。
―一方で、家で仕事ができるメリットもありそうですが……。
髙本:
たしかに、私個人の話だけで考えると働きやすくなりました。身体を守るためのルーティーンは崩れにくいので、ありがたいです。
実は入院していたときや、その後自宅療養していたとき、イレギュラー的にリモートワークをさせてもらっていた時期がありました。今はリモートワークが制度化されて、全社員が選べる働き方になったのはよかったなと思います。
障がい者にとって便利なことは、健常者にとっても便利なはず。パソコンと仕事する環境さえあれば働けるようになったことは、健常者はもちろん障がい者にとっても働くうえで追い風なのではないでしょうか。
今までもこれからも「1人ひとりの社員の幸せ=会社の幸せ」

―最後に、髙本さんのようにハンディキャップを抱えながらも働きたいと願う方へ、メッセージをお願いします。
髙本:
ピープルは、いい意味で障がい者を特別扱いしないというか、1人の社員の働き方として「そういう働き方もあるよね」と認めてくれる会社です。それが全社員が使える制度にもなっているので、働くうえでのハードルは低くなっていると思います。
私自身、障がい者でありながらも事業部長という重要なポジションに就かせてもらい、評価もしていただいています。「色眼鏡がない」ことが特別優しい会社だとは言わないけど、1人ひとりの社員にとってどういうことができるかを常に考えています。
世の中の流れや状況など変化が大きいなかで、今まで柔軟に対応してきた会社なので、今後も「社員の幸せ=会社の幸せ」と考えていくでしょう。そういう会社であり続けたいと、私自身も考えています。
不安があれば一緒に解決していくので、あまりハードルを感じずに飛び込んできてください。いろんな想いや環境の中で頑張ってくれる社員が増えていくことで、もっと「ピープルっていいじゃん」と思える会社になっていくことへ繋がると信じています。
おわりに
以上、【ピープルで働く―ハンディキャップ編】でした。最後までご覧いただきありがとうございました!
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